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“気を使いすぎてしくじっちゃった先生”が熱血授業!職種間の適度な距離感とは? 後編

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営業vsPM、営業とエンジニアの仲が悪い、プレイヤーとマネージャーの壁など、チーム内コミュニケーションにおける悩みは尽きないもの。そこで今回は、「職種間コミュニケーション」をテーマとしたLT会などを開催し、自らの「しくじり」を披露しながら解決法を紹介されていた、ゆめみの黄金コンビをお招きしました。営業、PMという視点から、実際にゆめみ内で起きた職種間コミュニケーションのすれ違いややりがちなミス、学んだことなどを語っていただきます!
(インタビュー・文/ライター川口)
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登壇いただいたしくじり先生

奥田壮平さん(2014年入社。穏やかな見た目に反して、戦うべきときには熱き闘将となって疾走するアカウントマネージャー。過去に高視聴率ドラマ出演経験あり)

阿部勝さん(同じく2014年入社。社内で「PMのお手本」と称されるバランサー。ドラママニアならではの卓越した人間観察力を誇るプロジェクトマネージャー)

前回の様子はこちら↓

川口:混とんとしていた黎明(れいめい)期を経て、新規獲得に挑みながら現在の、抜群のチーム力を誇るゆめみへと進化されてきた。まずはそのチーム体制について伺いたいのですが、提案時と実働時ではそれぞれどのような体制で動かれているのですか?

奥田:ここ3~4年で変わってきてはいるのですが、当時は営業とPMと企画担当で提案書をつくっていました。自分たちで提案の方向性を考えて、外部パートナーに相談。一緒にブレストを重ねながら内容を固めていって、ターゲット企業にぶつける感じです。

ここ数年はPMというか阿部さんが忙しすぎて、相手にしてもらえてません!(笑)

阿部:そんなことは......ありますけどね(笑)。でも状況も変れば、PMが担う役割も変わってきたので、別の業務に重心を置くようになったというだけです。

実際、私のしくじりパターンとして「動きすぎる」問題がありました。エンジニアに配慮して、仕様書に可能なかぎりの機能詳細を事前記載しておくとか、プロジェクト全体の動きや周囲の進捗を見ながら細かくアップデートしていくとか。良かれと思って自分のできることをどんどん進めていたのですが、ふたを開けてみれば誰も仕様書を見ていなければ、仕様書どおりに実装もされていない。周りからすれば、確認もなく何を勝手に動いているんだと。結果、聞いてないよ、できないよ、と言われてしまって。

川口:自分の役割をきちんとこなしていればいいという話ではないわけですね。しかも阿部さんはエンジニア経験もあり、周囲の状況も十分配慮されたにもかかわらず齟齬(そご)が生じてしまった。難しいですね。

阿部:そこは一概に職種でどうこうではなく、個々の状況や相手の受け取り方次第なんですよね。これが正しいからOKでしょではなく、ちゃんとコミュニケーションをとりながら確認せねばということを思い知った。少なくとも目星がつくまでは、丁寧に確認することが必要なんです。

川口:よく見かける開発チームの構図でもPMがど真ん中にいて、全体管理はもちろん、チームのハブとなって各所と調整を図るようなかたちになっていますものね。入社当初の「実装作業がなく、管理業務だけやっていればいいから楽勝だな」という考えは完全に一掃されたわけですね。

阿部:実際にやってみて、しくじってみて、役割分担の大切さを思い知りました。そして思い込みでは動かないということ。PMが設計仕様書を作成するのは命の無駄遣いだと気づいたんです。

結果、PMの最初の仕事は体制構築とチームの役割分担であると。すべてのコミュニケーションにPMが介在するのではなく、設計仕様もエンジニアとデザイナーで作成してもらうことにしました。

川口:実装に取りかかる前にそれぞれがプロジェクト全体を見通せるということですね。

阿部:デザイナーはちゃんと画面指示書を明確にし、実装難易度を確認した結果でデザインをする。エンジニアも確認したうえで実装に入れるから、仕様書への理解がないまま実装が思い込みで進んだり、結果違うものができたりすることもなくなります。

奥田:そんなシフトチェンジもあって、ここ数年ゆめみではよくあるPMを中心したチーム体制にならない案件が多くなってきました。PMの負荷が大きすぎるのを回避する意味もありますが、エンジニア人材が一気に増えたという社内環境や、内製化支援サービスのニーズが増えてきたことが影響しています。

クライアントの開発チームでエンジニアのリソースが足りないという内製化支援のご相談では、PMのポジションはお客さま、そこに僕とエンジニアだけが入って対応するといったスタイルですね。多様な状況に合わせて、社内のチーム体制や関わり方をフレキシブルに調整する感じです。

ゆめみの特徴でもありますが、エンジニアが直接クライアントとコミュニケーションをとってプロジェクトを進めるような案件も多くなっています。

川口:ゆめみの皆さんは職種を問わずアウトプットに長けていらっしゃいますし、Slackなどを通じて積極的に発信したり交流されたりしているので、一般的には表に出ないエンジニア職でも問題なくコミュニケーションがとれるのでしょうね。

阿部:それでも社内外では感覚が違いますからね。いままで私のような社内のPMに言っていたようなことを同じテンションでクライアントのPMに話せるかというと、そうではないですから。むしろ「お客さまは絶対」という認識があって、言うべきことも言えないとかね。

奥田:営業も同じですよ。PMがお客さまの場合、いつも阿部さんに話しているようにはいかないというか、お互いの意向をスムーズに汲めるようになるまで時間を要します。

社内においても「言うか。言わないか」の線引きは悩ましいですしね。これは僕のしくじりパターンなのですが、もともと僕は職種間できっちり業務を線引きするタイプだったんです。営業としてここまでやる、ここからはPMやエンジニアに任せる、ってね。任せるというと聞こえはいいですが、相手にしてみれば自分の意見を聞いてもらえない、一方的に無理を言われているような状況だったんですよね。

こちらにしてみれば、何でこんなに説明しているのに皆わかってくれないの?となる。

川口:アプリ開発に関わらず、あらゆる業種の業務全般で起こりがちな行き違いですよね。

奥田:やってほしいという期待で動いてしまっていたんですよね。それに営業は人数も少なくて、営業の仕事だけで手一杯な状態。そこでさらに踏み込んでいろいろ手を出し始めてしまうと、ほかの案件に支障が出て、結果回らなくなるのではという懸念もありました。

けれど、そうじゃないんだなと。「誰かが拾うでしょ」ではなく「拾える人が拾う」ということ。自分が手を出せそうなところはやってみる。同様に、自分で拾えない人は「誰か拾って」と声を出すことも大切だと痛感しました。

阿部:私も、できるかぎり自分の手を動かさないで回すことを念頭に置きつつも、ここまではやらないと回らないというものは自主的に動いています。いずれにせよ、状況把握が大事なんですよね。

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川口:ゆめみは皆さんオープンで発信力があるし、人と人のコミュニケーションも活発なら、困っている人には反射的に手を差し伸べる企業文化もあって、自然とそういうことができているように見えていました。

奥田:「アジャイル組織宣言」以降はそうかもしれないですね。比較的声が出しやすい環境になっているし、積極的に発信するスタイルにはなってきています。それでも言い方やタイミングなんかにはすごく気を使いますよ。

阿部:へぇー、そうなの?

奥田:使ってるわ!

川口:バランサー阿部さんももちろん......

阿部:(食い気味に)使ってますね、めちゃくちゃ気を使います。もう髪の毛が何本あっても足りないくらいです(笑)。

昔はPMが好き勝手言えていたんですけどね、いまは言えない。チーム構図では中心に位置しながら、指令というか管理系統ではフォール型で、PMが上流から決定事項をエンジニアに落としていく感じだった。それがいまは全職種が互いにフラットでやりとりをしている感じです。

川口: PMが主軸とならない場合、チーム体制はどうやって決めているんですか?

奥田:提案時からエンジニアに入ってもらって、こういう案件があります。見積はこうです、この期間で最後まで動ける人材は確保できますか?といった確認をしながら、受注後に無理なく進行できる体制だけは握っておく。実際に受注したら、提案書に基づいてそのとき稼働できるチームというか、エンジニアに動いてもらう感じですね。こちらから声をかけることもできますが、指名できるということではないです。

阿部:スペックが高く、声をかけやすい一部の人に指名が集中してしまい、その人が追い込まれて疲弊してしまったこともあって。それもひとつのしくじりですが、そういう状況になるのを回避する意味もあります。

もちろん皆ある程度のスキルは担保していますし、基本誰が担当になっても問題ない状態です。必要があれば、テックリードやリードエンジニアがサポートしてくれますしね。

川口:なるほど、それがいまのゆめみのスタンダートなのですね。

奥田:「これが正解」ということはないので、毎回チャレンジしながらプロジェクトごとに最善のかたちを模索している感じですけどね。

阿部:無意識にバイアスがかからないよう、PM間でも勉強会を開いて情報を共有するようにしています。PMって発信しない人の集まりなので(笑)、勉強会といっても雑談のようなものから始めて、何でもいいから発言すること。価値観を交換する場として設定しています。

奥田:営業でも定期的に勉強会をやりたいんだけど、なかなかスケジュールが合わなくて実現しない。そのぶん、PM勉強会に顔を出したり、職種を横断してミーティング機会をもったりね。冒頭で紹介してもらった「ゆめみ塾」の試みもその一環です。

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阿部:職種を超えていろんな人が勉強会に参加してくれる。そこで出た意見や新たな視点を通してそれぞれの考え方を知ることは、とても貴重な学びになります。ゆめみにはもともと優秀なメンバーがそろっているので、きちんと皆がコミュニケーションをとって動くようになれば鬼に金棒で、可能性は無限に広がりますからね。

奥田:あと、いまのご時世では少なくなりましたけど、阿部さんはよくクライアントを交えた飲み会やイベントを設定してくれて。開発チーム全員が自由に参加できて、いろんな人と交流できる機会になっています。

阿部:やってたね。平日の昼間からBBQ大会とかね。

奥田:ただクライアントと親しくなれてチームが一体となり、今後の業務がスムーズに運ぶということだけではなく、お客さまと営業がどんな感じでやりとりをしているか、PMはどのような立ち位置で、周囲とどうコミュニケーションをとっているのかなどをエンジニアが目の当たりにできる。今後自分がお客さまと直接やりとりをするときに生かせる。これが大きいんです。

阿部:実際にお客さまと顔を合わせて、生の声を通してプロジェクトへの反応や思いが伺えると、エンジニアのモチベーションも上がるんですよね。この人たちのためにやっているんだ、一緒にやっているんだと実感できる。
業務を離れた機会だからこそ、ふとした本音が聞けたり、初対面でも話しかけやすかったりしてね。

川口:ステキすぎるー! ゆめみは日常にも学びポイントがあふれていますね。ここまでできていて、もはやしくじるわけがないだろうくらいに見えますけども。

奥田:いやいやありますよ。新しいことにチャレンジすればするだけ、予想外のしくじりを体験するのだろうと思います。

阿部:それでもゆめみは会社としても、個人としても成長できるプラットフォームがある。勉強したい人にとってはどこまででも伸びていける、いろんな土壌がそろっているんですよね。ビジネスのスケールも大きければ、国内外も問わない。やりたいことに多様な手段で自在に挑戦できる環境がある。失敗やしくじりを恐れず、どんどんやっちゃっていいんです。

奥田:環境もそうですし、とにかく優秀なメンバーだらけなので、ひとりではできないことでも皆が結集すれば実現できるとかね。勉強会や交流会はそんなきっかけを生み出す機会でもあるんです。

川口:今回も出ました、ゆめみの止まらないポジティブループ! これですよ。しくじりを経て、ますます強化・進化していくシン・ゆめみ。

阿部:私たちはもちろん、これから入ってくる人にもやりたいこと、やれることにどんどんチャレンジしてほしいですね。たとえしくじっても大丈夫、何かあれば片岡さん(代表)が責任を取ってくれるから。

川口:心強い(笑)。それはゆめみにしかない強みですものね。
しくじり先生の熱くて温かいことばをもって、本日の授業を終了いたします。ご出席くださりありがとうございました!

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