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UX/UIデザイン

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ゆめみのUX/UIデザインについてまとめています。
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2020年4月の記事一覧

「もう指摘するの勘弁して!」と思ってしまう、センスない提案書の書き方 (2)不安にさせてくる系

このnoteの内容 提案書レビューで指摘されがちなポイントについて、 ここを気をつければ…という基本的なアンチパターンと、 どうすればそれを避けられるか?の第2弾です。 前回は、(1)混乱させてくる系として、 ①話の順番がいったりきたりする ②話が飛ぶ ③細かいことから言う ④同じことを指すのに使う言葉が違う(もしくは違うことを指すのに似た言葉を使う) を取り上げたので、興味のある人は見てください。 センスない提案書の書き方 (2)不安にさせてくる系 今回は、不安にさせ

「もう指摘するの勘弁して!」と思ってしまう、センスない提案書の書き方 (1)混乱させてくる系

以前、提案フェーズで「伝わる」提案書をつくるにはどうすればいいか? に関して、私が気をつけているプロセスを書きました。 社内でも、これをベースに「ドキュメントコミュニケーション」の勉強会を開いたりして、それなりに好評ではあるのですが、実践にむけては壁があるようです。 実際にこの考えのもと、私は資料のレビュー等をする立場にあるのですが、レビュー対象者が替わってもしょっちゅう指摘しているポイントがあるなあ?と感じたので、それをまとめることにしました。 そしたら、レビューする

「デザイン経営」組織の構造とは

“Design is everywhere. From the dress you’re wearing to the smartphone you’re holding, it’s design.”— Samadara Ginige 「デザイン経営」組織とは前回のnoteで、 ビジネスをスペキュラティブにデザインする(見立てる)ことが、経営におけるデザイン であり、 経営におけるデザインを推し進める方法が「デザイン経営」であり、 そのための組織体制が、「デザイン経営」組

「デザイン経営」とはどういうことか

先日、こちらの記事で、サービスとUXとデザインの関係について、全体を俯瞰する視点で一旦まとめました。今回は、それらと経営の関係についてまとめたいと思います。 経営=ステークホルダー全員のUXを向上させる取り組み 経営とは、サービスやブランドを通じてステークホルダー全員のUXを継続的に向上させる取り組みであると整理しました。 継続的にUXを向上させる方法=サービスデザインによる発見UXに影響する要素の一つとしてサービスがあり、 サービス「の」デザインを行うことで、継続的なU

人間中心設計はアジャイル開発か?〜定義から本質の話〜

先日、人間中心設計についての社内レクチャー会を開催しました。 内容は、人間中心設計にふれたことのないエンジニア向けに、HCD-Netが用意してくれている入門編の教材を基に概念の説明をするというものでした。 0.エンジニアから質問をいただいたレクチャー後のQ&Aで質問いただいた中に、「人間中心設計とアジャイル開発の差がわからなかった」というものがありました。 同僚のnoteにも言及があるのですが、時間が限られていたこともあり、「アジャイルとは」の定義論争を避けたく、「企画段

「人間中心設計」と「デザイン思考」と「サービスデザイン」の関係

「人間中心設計」と「デザイン思考」と「サービスデザイン」という用語は、様々な文脈で、その時々で意味をあいまいにして使われます。 その理由は、プロセス・思考法として向き合い方が似ていたり、取り扱う手技法がオーバーラップしていることにあるかもしれません。 そこで、関係を説明してみることにしました。 0.個人的理解サービスデザイナーとして、私は提案書でこのように説明しています。 プロジェクトデザインプロセス プロセス・進め方の企画と体系       :人間中心設計(HCD)  

「どこの国製か」で製品を評価する時代はもうとっくに過ぎたんじゃないでしょうか

このまとめについて、思うところがあったのでnoteに記します。 原料生産国?アッセンブリー国?販売国?「最終製品のアッセンブリー場所」で国単位で勝ち負けを語る意味は、この現代にあるのでしょうか。 たとえば車の話ばかりで恐縮ですが ・テスラ→バッテリーはパナソニック ・ベンツ→商用バンのプラットフォームはルノー日産 ・フィアット→車台はジープ ・トヨタ→北米でしか売らない車種をメキシコで生産 ・Apple→みんなが大好きiPhoneはアメリカで作ってすらいない。 これらは「

『クリストファー・アレグザンダーの思考の軌跡』(彰国社)を一読していろいろスッキリした話

デザインに関する思考先日書いたこちらのnoteでも言及したのですが、 その中で、私は「デザイン」を  ・感情が想起されるかどうかは関係なく  ・行動を起こさせる方向に作用する ものと分類しました。 この分類では「行動を起こさせる」ものなので 「行動を正しく起こせたか?」を軸に評価ができると考えました。 そうであるとするならば、行動を起こさせることは、人間工学や認知工学により科学的に分解可能であると考えた次第です。 たとえば、こういうことも科学的に説明ができるようですね。

液晶巨大化におけるボトムナビの機能拡張を考える

UXUIデザイナーのasakoです。 ファブレット(英: Phablet)って知ってますか? 「Phone」と「Tablet」とを合わせた造語。明確な定義はない (wikipedia) 恥ずかしながらちゃんと意識したの最近なんですが、画面の大きいスマートフォン と 画面の小さいタブレットのことを指して使う言葉です。 スマートフォンは昨今どんどん液晶の巨大化が進んでいます。 参考)安藤さん記事👀 私の私物スマホはiPhone7で、女性の小さめな手だと若干サイズ大きめ

デザインとアートの境界線ってあるの?という問いと、UXデザインと呼ばれるものについての考察

※前提として、美術系の大学卒でもない、視覚デザインを学んだわけでもない、社会学部卒の筆者による考察であることをご留意ください。 アートとは、デザインとはこれらの言葉の、普遍的・明確・端的な定義は聞いたことがありません。 デザインにも広義のデザイン、狭義のデザイン、などという言い方がなされたり、組織デザイン、関係性デザインといったり、アートといったり美術といったり、使い手によって場面によって様々な意味が付加されます。 デザインの歴史的には、現代アートの始まりと言われるデュシ

ETV特集「緊急対談 パンデミックが変える世界~海外の知性が語る展望~」を観て感じたこと。

みなさん、ちゃんとこの番組見ましたか。 私は、この番組は過去10年で最も重要な1時間番組であり、これから10年の指針になる1時間だと思いました。 必見だと思います。 インタビュイーはこの3名。 イアン・ブレマー(国際政治学者) ユヴァル・ノア・ハラリ(歴史学者) ジャック・アタリ(経済学者、思想家) 世界を代表する知性です。この3名に、この時期に同じテーマのインタビューができたこと、私はNHKを誇りに思います。また政治、経済、歴史、の観点からの見通しを私なりに答え合わせでき

「デザイン経営」をテーマにオンラインで対話の場をつくりました

2020年4月8日に「【オンライン】「デザイン経営と社会の関わり方」を考えてみよう」という対話イベントを開催しました。 このイベントは経産省から出された「デザイン経営ハンドブック」「デザイン経営の課題と解決事例」を読んで、これらを読んだ人たちはどのように思い、考えているのかを聞いてみたいなと思ったところが、企画のきっかけでした。 「デザイン経営」という言葉を見聞きする機会は増えたものの、それが実際どのように受け止められて、どのように実践されているのか。またあらためて「デザイ

【セミナー参加】「デザイン経営と社会の関わり方」を考えてみよう

2020/4/8にオンラインで開催された『「デザイン経営と社会の関わり方」を考えてみよう』に参加しました。合計2時間ほどの、グループディスカッションを交えたzoom討論会で、30名を超える多様な業種からの参加者がありました。 どんなセミナー?ちょうど4/1から弊社にジョインしたエイマエダカツタロウ @katsutaro  さんがファシリテートされるということを、ジョイン前に教えていただき、即 peatixで参加をポチしました。題材は以下の通りで、先日経済産業省から発表された

その3【バリュープロポジションキャンバス編】〜新卒初クライアントワーク奮闘記〜

「じゃあ、このペルソナが喜ぶアイデアを考えましょう!」 そんなこと言われても、このペルソナはどうしたら喜ぶの…? どうもゆめみの磯崎です。 引き続き「エンドユーザー向けのサービスのコンセプト策定」(要約)という問い合わせから始まった私の初めての案件について 『ゆめみのクライアントワーク;サービスデザイン シリーズ』第3弾です。 前回はペルソナの策定をしました。前回の記事はこちらになります。 ペルソナの策定が終わり、冒頭のようにいざ「早速このペルソナに向けたアイデアを考え